場所、空間での経験が、その企業や店舗のブランドをつくる、と言われて久しいですが、
わたしたちグリッドフレームは、独自のシステムで、そのブランドづくりを担ってきたと思っています。
私たちは、設計施工(Design-Build)の会社です。全体としては、Design(デザインチーム)からBuild(施工チーム)という流れでプロジェクトを進めますが、実は、わたしたち個々のメンバーそれぞれが、狭義のデザインビルダー(Design-Builder)です。
つまり、それぞれのメンバーが頭で考えたモノゴトを自らの手でカタチにすることを会社のポリシーとしているのです。(ここでは、デザイン-ビルダーと私たちのことを呼ぶことにします。)
わたしたちのメンバーの背景は、構造力学、広告代理店/建築設計、ガラス工芸(美大)、舞台芸術、ファッションデザイナー、インスタレーションアーティスト、金属工芸、環境デザインなど多岐に亘っており、得意分野の異なるデザインビルダーが家具/什器、内装、建築といった枠組みを超えた広範な分野での制作を行っています。(実際にオイルランプのデザインから複合ビルの設計までわたしたちには、さまざまなお仕事の依頼が舞い込みます)
わたしたちは、まずクライアントとの対話の中で、クライアントが実現したいこと、大切にしたいこと、課題点、未決定の部分などを引き出しながら、条件を整理していきます。単刀直入にどのような空間にしたいか?ということを聞き出すのではなく、言葉には表れなかったクライアントの心の底にあること(ミッション)に思いめぐらしながら空間をデザインしていくことが、わたしたちが得意とすることです。
そして、それらプロジェクトの与条件とミッションは、基本デザインとともに、メンバー全員に共有され、それぞれが咀嚼し、自らの頭の中で考えたモノゴトを自らの手でカタチにし、その生み出されたカタチと向き合い、つぎのモノゴトを生み出すような、試行錯誤的連鎖が個々のメンバー自身の中に生じます。
そしてその試行錯誤が、クライアントを含めたチームメンバーとのぶつかり合いによって、もっと大きな試行錯誤になって、大きなモノゴト→カタチを生み出します。
デザイナー、職人やアーティストなど、創造に関わる職業の面白さというのは、互いの感性をぶつけあったり、互いの懐に飛び込んだり、そしてその人がいない時にでもその人のことに思いをめぐらしたり…という創造の過程にあります。
そんな豊かな経験をしながら、やがてモノゴトの輪郭がはっきりして、カタチを成していく…。ひとりひとりの試行錯誤が大きな試行錯誤になり、いままでになかったモノゴトが生み出される。
デザイン-ビルダー集団ならではのグリッドフレームのブランディングは、このように進み続けます。