ビルリノベーション営業:田村 俊和 × 設計デザイン:河原 健太 スペシャル対談
オフィスビルリノベーション事業の魅力とは?
【田村(ビルリノベーション営業)】
あるオフィスビルのリニューアル工事で、ヒアリング時にお客様から“このビルに入居する人はこういうタイプの人がいい”というターゲットイメージと、“内装全体はこんな雰囲気にしてほしい”というオーダーをいただきました。それを社内に持ち帰って、河原さんと一緒にデザイン案を考えたんです。
【河原(設計デザイン)】
頂いた情報だけでなく、自分たちもその土地やターゲットについて調べていき、「こうしたほうがいいんじゃないか」という話をしましたよね。たとえば「ビルに入居する人たちが、企業や組織の垣根を越えてコミュニケーションできるスペースがあったらいいんじゃないか」とか。
【田村】
私たちの仕事は、お客様の要望をただ実現するだけではなく、その意図を汲み取ってプラスアルファの提案をすることなんです。その提案が受け入れられて、こちらの工事も無事受注することができました。お客様にも喜んでいただけて、私たちも非常に嬉しいです。
全ての仕事を内製化している意味は?
【田村】
当社ではデザインも施工もすべて内製していますが、お客様の窓口になるのは基本的に営業です。お客様との接点が一番多いので、デザイナーに丸投げするのではなく、営業も内装を一緒に企画します。私の前職は、空調など店舗の施工を請け負う会社で、ゼネコンから丸投げされたものを、要望通りにそのまま工事する仕事でしたから、今こうしてデザイナーと一緒にお客様に刺さる提案を考えられるのは、非常に大きなやりがいです。
【河原】
プロジェクトに関わるほとんどの職種が社内にいるので、お客様に対してスピード感のある提案ができるんです。私の前職も同業ですが、設計だけをするデザイン会社でした。今は営業も含めて多様な職種の人と一緒に仕事ができるので、多角的な視点をデザインに反映させられるようになりました。
部署を超えた連携を生むコミュニケーションとは?
【河原】
問題点を発見して解決するコミュニケーション能力は重要だと思います。田村さんはお客様だけでなく社内のコミュニケーションも大事にしてくれますよね。考えやイメージを共有するのは簡単なことではないので、とても仕事がしやすいです。
【田村】
コミュニケーションは仕事の要ですからね。私は自分のチームのメンバーにも、“いかにお客様や社内のメンバーとうまくコミュニケーションを図るか”ということを覚えてもらうよう工夫しています。単純に仲良くなるというよりも、相手の発言の背景などを考えていくことが重要だと思うんです。
【河原】
特に、お客様が表現する言葉は抽象的ですからね。「かっこよく」とか、「おしゃれに」という抽象的な言葉に隠された細かいニュアンスを汲み取る必要があります。デザインというものは、360度いろんな方向に行けてしまうものですから、お客様の要望を叶えつつ質の高い提案をするために、営業とデザイナーがブレずに同じ方向を向いて提案することが大事ですね。
リノベーションデザインで最も重要なこととは?
【河原】
デザイナーの視点からすると、もちろん意匠、レイアウト、機能も大事なのですが、ビルオーナー様や、そのビルに入居するテナント側の目線になってデザインすることが最も大事だと思っています。
【田村】
営業職としては、お客様の要望を叶えたいという思いが強くなってしまいがちです。とはいえ、それが現実的なのか、デザインとして機能するのかという視点もすごく大事で。河原さんは、自分の考えたデザインを通したいこともあると思うんですけど、お客様の要望に対して柔軟に対応してくれるので、本当に助かってます。こういうのは、お互いの価値観の共有が大切ですよね。飲みながらの雑談の中でも、色んなヒントを見逃さないようにしています。